FXは、知識がないまま勘を頼りにトレードすると、大きな損失につながる恐れがあります。
しかし、FX初心者が失敗するパターンには一定の傾向が見られます。
あらかじめ典型的な失敗例とその対策を理解しておけば、過度に恐れる必要はありません。
本記事では、まず初心者が経験しやすい失敗例を紹介します。よくある失敗例をあらかじめ知っておけば、同じミスをしなくても済むはずです!

よくある失敗例を知っているだけでは、ちょっと不十分。
失敗を避けるための具体的な方法も解説したので、合わせてチェックしてくださいね。

この内容を参考に、失敗を防ぐ知識を身につけてFXを始めてみましょう。金融庁も「FX取引で合理的な投資判断を行うには、相当程度の専門知識が必要」と明記しています。
リスク管理の方法を学び、資産形成への第一歩を踏み出す手助けとなれば幸いです。
前提:FXにはリターンがある分、リスクや失敗もつきもの
FXで利益を狙う以上、損失のリスクをゼロにはできません。
為替相場は、世界中の経済情勢や投資家の心理によって常に変動するため、100%の勝率はあり得ません。
初心者のなかには、以下の勘違いをする人がいます。
- プロは常に勝っている
- リスクを取らなくても大勝ちできる
プロは常に勝っているわけではなく、損失を最小限に抑えることを心がける人が多い傾向にあります。
そのため、初心者は勝つことに目を向けるより、損失をいかに抑えるかが大切です。
FXをやるうえで大切なのは「失敗=悪」と捉えないことです。
なぜ負けたのかを分析し、次の取引に活かすことで、トレーダーとして成長できます。
失敗はトレードスキルを向上させるために、必要な経験です。
また、リスクを取らなくても大勝ちできると思っているなら、それは勘違いです。
一般的にリスクとリターンは比例関係にあるため、少額投資で大きなリターンを得られる機会は多くありません。
大きなリターンが期待できる分、失敗やリスクは前向きに受け入れましょう。
初心者必見!FXでよくある失敗パターン10選

FXの失敗には、初心者が陥りやすい共通のパターンがあります。
無駄な損失を避け、着実に資産を増やすための第一歩は、複数の失敗パターンから学ぶことが大切です。
ここでは、初心者が経験しやすい失敗パターンを紹介します。
損切りを先延ばしにしてしまう
初心者が陥りやすい失敗のひとつが、損切りの先延ばしです。
「もう少し待てば価格が戻るかもしれない」という淡い期待が、損切りのタイミングをためらわせます。
行動経済学では「損失回避のバイアス」と説明されます。人は利益が出る喜びよりも「損したくない」という気持ちのほうが強い傾向にあり、損切りをためらってしまうことがあるのです。
含み損を抱えている状態は、心地よくはありませんが、それよりも大切なのは「大きな損」を出さないことです。
感情的になり合理的な判断ができなくなると、気づいた時には大きな損失を生んでいる可能性があります。
実際に損切りの遅れを嘆いている人もいます。
このような失敗を避けるには、取引を始める前に「いくら損失が出たら決済するか」という損切りラインを決めておくのが大切です。
損切りラインを決めたら、感情を挟まず機械のように決済しましょう。
いきなりハイレバレッジで取引してしまう
レバレッジとは、少ない資金で大きな取引ができるFXの魅力的な仕組みです。
しかし、リスクを正しく理解せずに、いきなりハイレバレッジで取引を始めるのは危険な行為です。
ハイレバレッジは大きな利益を生む可能性がある反面、損失も同じように拡大させます。
ハイレバレッジで想定以上の損失を出している人もいます。
初心者が仕組みをよく知らないままハイレバレッジに手を出すと、わずかな価格の逆行で、大きな損失を招きかねません。
最悪の場合、強制ロスカットによって一発で退場となるリスクもあります。
まず初心者は、レバレッジ1倍〜3倍程度の低い倍率から始めるのがおすすめです。
取引に慣れ、資金管理の感覚が身についてから、状況に応じて少しずつレバレッジを調整していきましょう。
常に取引していないと気が済まない
「ポジポジ病」という言葉を聞いたことはありますか?
これは、常にポジションを持っていないと不安になり、機会損失を恐れて無駄な取引を繰り返す状態です。
チャートを見ていると「何か取引しなくては」と焦ってしまう人は、ポジポジ病の状態です。
ポジポジ病が原因で大きな損失を出している人もいます。
この状態に陥ると、明確な根拠がないまま取引を繰り返すことになります。
取引回数が増えれば、スプレッドのコストもかさむため、損失は大きく積み重なっていくでしょう。
FXで勝つためには「待つ」ことも仕事の一部だと理解する必要があります。
自分で決めたルール以外で取引しないことが、無駄な損失を減らし、利益を最大化するコツです。
感情に任せて自分ルールを破ってしまう
FXの取引では常に冷静な判断が求められますが、お金が絡むと感情的になり、無謀な取引で損失を出す人が多いです。
行動経済学や投資心理学の観点からも、お金が絡むと非合理的な判断をしてしまいがちです。
特に、損失が出始めると「取り返したい」という焦りから、つい熱くなってしまいます。
私は以前「友達が勝っているから自分も負けたくない」という競争心だけで、意味のない取引をした経験があります。
結果的には、数十分で2万円程の損失を出してしまいました。
このように感情的なトレードをしていては、長期的に勝つのは難しいです。
感情的な取引に注意喚起する人もいます。
FXはどれだけリターンを得られるかの競争ではなく、自分自身で決めたルールを守る戦いに近いです。
熱くなったと感じたら、一度チャートの前から離れて冷静になりましょう。
淡々と自分のルールを守り続けるメンタルを鍛えることが、安定して勝ち続けるトレーダーへの道です。
勉強不足のまま勘に頼ってトレードしてしまう
FXを始めるのに学歴や資格は必要ありませんが、知識ゼロで勝ち続けられるほど甘い世界ではありません。
チャートの読み方や経済指標の意味も知らずに取引を始めるのは、ルールも知らずにスポーツで勝とうとしているのと同じです。
「何となく上がりそう」「そろそろ下がりそう」といった勘に頼った取引は、ギャンブルや宝くじと変わりません。
運良く数回勝てても、再現性がないため、長続きはしないでしょう。
Xの投稿者のように、初心者は勉強を継続する癖をつけるのが大切です。
まずはどのように分析するのか、勝つためには何が必要なのかを学ぶのがおすすめです。
不要な買い増しで損失を広げてしまう
意味のない買い増しは、余計な損失を広げる原因のひとつです。
価格が予想とは反対の方向に動いた際、平均取得単価を下げるために、安易に買いや売りを追加してしまうことがあります。
買いや売りを追加する手法を「ナンピン」と呼びます。計画性のないナンピンは、損失を拡大させる可能性があります。
買い足した価格から逆行し続けた場合、損失は2倍、3倍と雪だるま式に膨れ上がってしまいます。
初心者が安易に手を出すと、あっという間に強制ロスカットにつながり、大きなダメージを負うことになりかねません。
「ナンピンは難しい」といった声があるように、初心者にナンピンはおすすめできません。
ナンピンは明確な戦略と資金管理の能力がある人が、利用するか検討する手法です。
FXに慣れないうちは「価格が下がったら買い増す」という考えは忘れて、まずは自分で決めたルールに沿って取引しましょう。
戦略なしでスワップポイントを狙う
スワップポイントだけを目当てに取引を始めると、大きな損失を招く可能性があります。
金利が高い国の通貨を買い、低い国の通貨を売ることで、その差額を毎日受け取れます。
しかし、スワップポイントはプラスになるばかりではなく、マイナスになるケースもあるため注意が必要です。
金利が逆転すると、毎日支払いが発生し、その分だけ損失が増えてしまいます。
このように、安易にスワップポイントで利益を狙うと、想定していた以上の損失を生む可能性があります。
SNSで魅力的な勧誘があっても、慣れないうちは無視するくらいの気持ちで良いでしょう。
まずは為替レートの変動で利益を出すという、FXの基本を学んでいくのが大切です。
失ってはいけないお金で取引してしまう
失ってはいけないお金でFXを始めるのは、絶対にやめましょう。
具体的には、以下のようなお金での取引は厳禁です。金融庁の基礎から学べる金融ガイドでも「投資する資金は生活資金とは別の余裕資金で行いましょう」と記載されています。
- 生活費
- 子どもの教育費
- 消費者金融からの借金
- 奨学金
上記のお金に手を出してしまう人は、FXの知識が不足していたり、精神的に安定していない傾向があります。
「一発逆転したい」という焦りが、冷静な判断を失わせる原因になります。
私の友達にも奨学金を使ってパチンコをして、400万円の借金をした人がいました。負ける人はムキになりやすいです。
まずは、どんな状況でも冷静になれるメンタルを鍛えることが大切です。
自分をコントロールする術を身につけ、大きな損失を防いでください。
マイナーな通貨ペアに手を出してしまう
初心者がいきなりマイナーな通貨ペアに手を出すと、大きな損失を招く可能性があります。
マイナー通貨は取引量が少ないため値動きが安定せず、価格が一方的に動き続けることがあります。
例えば、マイナー通貨とされるトルコリラは、4年ほど前は10円台で推移していましたが、現在は3円台まで下落しました。
4年前にトルコリラを購入していたら、資産価値は約70%減っていたことになります。
また、取引コストであるスプレッドもメジャー通貨に比べて大きく、取引するだけで負担が増します。
Xの投稿のとおり、通貨ペアによって負担が倍以上違うものもあります。
まずは米ドル/円のような、取引量が多いメジャー通貨から取引を始めるのがおすすめです。
一つの通貨ペアの値動きに慣れれば、他の通貨でも取引手法が応用できるでしょう。
SNSや他人の情報を鵜呑みにしてしまう
SNSの情報を鵜呑みにして取引するのは、初心者がやりがちな失敗例のひとつです。
匿名性の高いSNSでは、発信者が自分にとって都合の良い情報だけを切り取って見せているケースもあります。
FX業界ではありませんが「年商〇億」といったワードを武器に情報発信している人のなかには、赤字の人もいると知人から聞きました。
必ずしも都合の良い発信をしている人が、成果を上げている保証はありません。
そのため、SNSの情報はあくまで参考の一つとして捉え、最終的な判断は自分自身で行う癖をつけましょう。
最悪の場合は、詐欺にかかる可能性もあります。
投資詐欺で数千万円失った人もいます。
情報があふれかえっている現代だからこそ、情報の取捨選択はFXで勝つために必要な能力です。
FXでの失敗をしないために注意するべきこと【損は回避できる】

これまで紹介した失敗パターンは、注意点を守れば多くのことを回避できます。
ここでは、損失リスクをコントロールし、FXで着実にステップアップしていくための注意すべきポイントを紹介します。
必ず余剰資金の範囲内でトレードする
FXは必ず余剰資金で行いましょう。
生活費や貯金など、失ってはいけないお金に手をつけると、負けられないプレッシャーから冷静な判断ができなくなります。
精神的に余裕がない状態では、損切りをためらったり、根拠のない取引をしたりと、典型的な失敗パターンに陥ります。
トレードの経験が少ない人は「冷静に取引すれば良いんでしょ?」といった、軽い気持ちの人もいるかもしれません。
しかし、短時間で数千円や数万円の損失が出ると、不安が一気に膨らみます。
心の余裕はトレードの質に直結するため、精神的な余裕が必要です。
どのような結果になっても生活に影響がない範囲で取り組むことが、安定して結果を出し続けるための第一歩です。
デモトレードや少額取引で実践経験を積む
本やネットで知識を学んだら、デモトレードや少額取引で練習を積んでください。
いきなり本番の取引に挑まずに、デモトレードや少額取引で実践経験を積むことが大切です。
デモトレードが利用できる主なFX業者は、以下のとおりです。
- 楽天証券
- GMOクリック証券
- DMM FX
- 外為どっとコム
- GMO外貨
- ヒロセ通商
デモトレードは本番さながらの環境で仮想の取引ができるため、FXの環境に慣れるには最適です。
デモ口座がない場合は、少額から取引できるFX業者を選ぶと良いでしょう。
- SBI FXトレード
- 松井証券
上記のFX業者は、1通貨から取引が可能です。
少額でも自分のお金を使って取引をすれば、リアルな緊張感を少ない資金で経験できます。
慣れないうちは損失を最小限に抑えて、FXに慣れるのが大切です。
自分だけの取引ルールを明確に決めて守る
感情的な取引を避けるためには、自分の取引ルールを明確に決めることが欠かせません。
ルールがないと、取引のたびに判断がブレてしまい、一貫性のある行動が取れなくなります。
まずは、以下のような基本的なルールから決めるのがおすすめです。
- 損切りラインを決める
- 1回の投資額を決めておく
- デモトレードで成果が出るまでは本番取引はしない
上記はあくまで一例ですが、一度決めたルールは徹底して守り抜くのが、安定して成果を上げるための基本です。
FXをギャンブルと勘違いしている人もいるかもしれませんが、ルールを守り抜くだけでも、収支は安定します。
まずは自分のルールを守ることを目標にし、そのうえで勝つための手法を上積みしていってください。
注文時に損切りラインを必ず設定する
大きな損失を防ぐ最も効果的な手段が、注文時の損切り設定です。
損切りラインを決めずに取引を始めると、冷静な判断ができずに損失が拡大するリスクが高まります。
損切りラインの目安は、一般的に投資資金の5〜10%程度とされています。しかし、初心者は2〜3%で設定するのがおすすめです。
何度も言うように、慣れるまでは損失を抑えるのが鉄則です。
一度の失敗で大きな損失を負うと、資金を取り戻すのが難しくなります。
FXを長く続けるためには、無理な取引をしないことが大切です。
感情に左右されずにリスク管理するためにも、損切りラインは必ず取引前に決めておきましょう。
取引する通貨ペアをメジャーなものに絞る
FX初心者は、まず取引する通貨ペアを取引量が多く安定したメジャーなものに絞るのがおすすめです。
メジャー通貨ペアの一例は、以下のとおりです。
- 米ドル/円 (USD/JPY)
- ユーロ/円 (EUR/JPY)
- ポンド/円 (GBP/JPY)
- ユーロ/米ドル (EUR/USD)
メジャー通貨ペアは、世界中で活発に取引されているため、スプレッドが狭く、値動きが比較的穏やかです。
関連ニュースや情報も手に入りやすく、初心者でも相場の流れを追いやすいメリットがあります。
一方で、マイナー通貨ペアは取引量が少なく、価格が急に大きく動くことがあります。
- 南アフリカランド/円 (ZAR/JPY)
- トルコリラ/円 (TRY/JPY)
- メキシコペソ/円 (MXN/JPY)
上記の通貨は、スプレッドが広く設定されているケースが多く、情報も限られています。
マイナー通貨で一発逆転を狙うのはリスクも伴うため、まずはメジャー通貨ペアで取引し、FXの基礎を固めてください。
値動きが活発な時間帯を狙って取引する
FXの経験を効率的に積むなら、値動きが活発な時間帯に取引するのがおすすめです。
値動きが少ない時間帯は、エントリーや決済の機会が少なく、ただチャートを眺めるだけの時間になりがちです。
おすすめなのは、以下の主要市場の取引時間が重なる時間帯を狙うことです。
市場 | 取引時間(日本時間) |
---|---|
東京市場 | 9:00〜17:00 |
ロンドン市場 | 16:00〜1:00 |
ニューヨーク市場 | 21:00〜6:00 |
ロンドン市場とニューヨーク市場の取引時間が重なる日本時間の21時〜翌2時頃は、世界中のトレーダーが活発に参加します。
この時間帯は値動きが大きくなるため「ゴールデンタイム」と呼ばれています。
短時間で多くの経験を積むためには、ゴールデンタイムに集中して取り組むのが効果的です。
ただし、値動きが活発な分、損失のリスクも高まるため、投資額は無理のない範囲で抑えてください。
取引記録をつけて毎回トレードを振り返る
トレードのスキルを向上させるには、取引記録をつけて毎回振り返ることが大切です。
なぜ勝てたのか、なぜ負けたのかを分析する癖をつけてください。
最低でも以下の項目を、記録しておくのがおすすめです。
- 通貨ペア
- エントリー根拠
- 決済理由
- 収益
記録を続ければ、自分の勝ちパターンや負けパターンを客観的に把握できます。
面倒に感じるかもしれませんが、地道な振り返りの積み重ねが、トレードの精度を着実に高めていきます。
トレードのスキルを向上させたい人は、必ず取引記録をつけましょう。
常に学習と分析を怠らない
FXで長期的に勝ち続けるためには、分析し続ける姿勢が大切です。
為替相場を動かす要因は常に変化しており、今まで有効だった手法が将来も通用するとは限りません。
FXは時代によってトレンドも変わるため、常に勉強し続けないと市場の変化に取り残されます。
成功しているトレーダーほど、日々の学習や分析を怠りません。
FXで成功するためには、即効性よりも継続性が重視されます。
継続的に学習できるかどうかが、安定した利益を生み出す要因となります。
書籍や信頼できるウェブサイト、動画など、自分に合った方法で学び続けましょう。
学習と取引を続ける
FXで成果を出すには、学習や検証を一定期間続けることが欠かせません。
しかし、多くの初心者は短期的な結果に一喜一憂し、失敗が続くと取引をやめてしまいます。
専門家監修の元に作成された習慣化アプリ「みんチャレ」によると、物事を習慣化するのに必要な日数は平均で66日と言われているとのこと。
投資全般に言えることですが、不安定期は必ず来ます。
この不安定期を乗り越えないことには、何事も失敗で終わってしまいます。
私も過去にさまざまな不安定期がありましたが、最も効果的だったのは以下のとおりです。
- とにかく休む
- 運動する
- 好きなアニメを見る
ありきたりですが、リフレッシュして不安を乗り越え、結果的に副業4年・投資6年と継続し、小さな成果も上げられました。
FXで失敗したまま終わらないためにも、自分にあった方法で継続する癖を身につけましょう。
まとめ:失敗パターンと対策を知ればFXは怖くない
この記事では、FX初心者が陥りがちな10の失敗パターンと、それを回避するための具体的な対策を解説しました。
多くの失敗は、知識不足や感情的な判断が原因で起こります。
しかし、事前に失敗例を知り、資金管理や取引ルールの設定といった対策をしておけば、リスクはコントロール可能です。
FXは決して、運任せのギャンブルではありません。
正しい知識を身につけ、冷静な判断さえできれば、資産を増やすための手法として活用できます。
この記事で学んだことを参考に、まずはデモトレードや少額取引でFXの基礎を身につけていきましょう。